給与計算や賞与計算の際に社会保険料・雇用保険料が自動計算されない場合、下記を確認してください。
操作をする前に
雇用保険料とは、雇用保険にかかる保険料のことです。
雇用保険と労災保険(労働者災害補償保険)はあわせて「労働保険」と呼ばれ、いずれも国が管掌する保険です。
一方で、社会保険料とは、健康保険/厚生年金保険/介護保険などにかかる保険料のことです。
健康保険
病気やケガなどで通院・入院したときや長期休業時の生活保障、出産費用、産休中の生活保障、死亡などを保障する医療保険のことです。
会社に勤める労働者は、会社の健康保険(健康保険組合・協会けんぽ)に加入し、保険料は毎月の給与から一定割合を会社と個人で負担します。
厚生年金保険
厚生年金とは、国が定めた公的年金制度のことです。
原則企業に勤めている会社員や公務員など組織に雇用されている人が、国民年金とあわせて加入します。
パート・アルバイトとして勤務する人も、雇用期間や賃金月額、1週間の所定労働時間や1か月の所定労働日数などの条件を満たしていると加入します。
厚生年金基金
企業が国の代わりに保険料の1部を集め、独自に管理したり運用したりした上で、独自の給付を上乗せできます。
厚生年金基金は私的年金制度であり、勤務先の企業が加入しているかどうかで加入の可否が決まります。
勤務先の企業が厚生年金基金に加入していない場合は、加入できません。
介護保険
介護を必要とする人が少ない負担で介護サービスを受けられるよう、社会全体で支援する保険制度のことです。
介護保険に関しては、40歳から64歳までの従業員が保険料を納めます。
年齢によって区分が設けられており、65歳以上が「第1号被保険者」で、40歳から64歳までが「第2号被保険者」です。
社会保険料や雇用保険料が自動計算されない場合の対処方法
給与計算>給与データ訂正>控除項目タブにて、社会保険料(健康保険料/介護保険料など)や雇用保険料の項目に数字が反映されていない場合、対象従業員の下記1~7を確認・設定の上、再計算をしてください。
1.社保加入区分
従業員管理>社保・労保>社会保険タブにて、社保加入区分を「加入」と設定されている従業員が、社会保険料の計算対象者となります。
また、社保加入区分とあわせて、後述の1-1/1-2/1-3の各種保険料の計算区分も確認してください。
※従業員の社会保険を登録する手順はこちら
1-1.健康保険計算区分
従業員管理>社保・労保>社会保険タブにて、健康保険計算区分が設定されていない場合、健康保険料は計算されません。
※上記の社保加入区分の設定内容に応じて、自動で設定されます。
※生年月日の情報を基に、自動的に健康保険料の計算有無は判定されません。
1-2.介護保険計算区分
従業員管理>社保・労保>社会保険タブにて、介護保険計算区分が設定されていない場合、介護保険料は計算されません。
※生年月日の情報を基に、自動的に介護保険料の計算有無は判定されません。
【チェックが入っている場合】
計算式:介護保険料 = 健康保険標準報酬月額 × 介護保険料率(個人) - 健康保険料
【チェックが入っていない場合】
計算式:介護保険料 = 健康保険標準報酬月額 × 介護保険料率(個人)
1-3.厚生年金計算区分
従業員管理>社保・労保>社会保険タブにて、厚生年金計算区分が設定されていない場合、厚生年金保険料は計算されません。
※上記の社保加入区分の設定内容に応じて、自動で設定されます。
※生年月日の情報を基に、自動的に厚生年金保険料の計算有無は判定されません。
※各種保険料の計算区分についてはこちら
2.雇用保険区分
従業員管理>社保・労保>労働保険タブにて、雇用保険区分を「計算する」もしくは「計算する(役員)」と設定されている従業員が、雇用保険料の計算対象者となります。
※従業員の労働保険を登録する手順はこちら
3.標準報酬月額
社会保険料は標準報酬月額と保険料率の掛け算で控除額が算出されるため、従業員管理>社保・労保>報酬月額タブにある標準報酬月額の設定は必須です。
※従業員の報酬月額の登録手順はこちら
4.社保事業所マスタの保険料率
社会保険料は標準報酬月額と保険料率の掛け算で控除額が算出されるため、人事設定>社保・労保>社保事業所タブ>保険料率タブにて、社保事業所マスタの保険料率の設定は必須です。
※社会保険料率は加入している組合や協会によって異なります。
※厚生年金基金は会社が加入していない場合は登録不要です。
※社保事業所の設定方法はこちら
賞与の社会保険料を計算するためには、標準賞与上限額を設定が必要です。
なお、賞与の保険料は、総支給額の1000円未満切り捨ての金額と、設定された料率を用いて計算されます。
※「0」と設定されていると、賞与計算時の社会保険が計算されません。
5.労保事業所マスタの保険料率
雇用保険料は賃金と労保事業所マスタの保険料率の掛け算で控除額が算出されるため、人事設定>社保・労保>労保事業所タブ>保険料率タブにて、労保事業所マスタの保険料率の設定は必須です。
※雇用保険料率は業種業態によって異なります。詳細はこちら
※労保事業所の設定方法はこちら
6.事業所マスタ
従業員管理>社保・労保>事業所社保・労保タブにて、事業所マスタが登録されているか確認してください。
※事業所マスタを登録する方法はこちら
※従業員に事業所マスタを紐づける方法はこちら
7.健保厚年徴収区分
給与設定>給与運用にて、健保厚年徴収区分が「翌月徴収」の場合、給与処理月の前月に登録されている報酬月額を抽出します。
そのため、給与処理月の前月分の報酬月額が登録されていない場合、算出されません。
※健保厚年徴収区分の設定はこちら
※報酬月額の登録方法はこちら
例)給与処理月が2022年2月の場合
従業員管理>社保・労保>報酬月額にて2022年1月の報酬月額が登録されている必要がある。
給与/賞与の計算後に従業員の人事情報をを変更した場合は、再計算を実施する必要があります。
上記1~7の設定を変更した後は、必ず再計算をした上で、給与計算>給与データ訂正控除項目タブににて、社会保険料や雇用保険料の項目に数字が反映されているかを確認してください。